ハウジングに関連したインナーシティにおける高齢者に関する研究としては,分布(GraffandWiseman;
1878),住居移動(WisemanandVirden;1977,WisemanandRoseman;
1979,BohlandandTreps;1982)に研究の中心があったが,近年は,
居住環境.居住状況や生活行動に関する研究(Margulis;1987,1993,倉沢
編;1993),居住状況とも密接に関連する生活の質の研究(Smith;1988,
Warnes;1987)や高齢者への住宅政策を含めた福祉サービスに関する研究
(Barnard;1982,JosephandHall;1985,PhillipsandVincent;1986,Phillips,
Vincent,J.andBlacksell;1987)へと研究の関心が移行してきている。

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ワーンズ(Warnes;1991)は,アメリカ合衆国とイギリスの都市内部地域
において貧しい高齢者が集中することと彼らの居住状態と居住環境が最悪の地
域であり,貧困の社会問題が明確化していることを指摘し,また高齢化問題の
なかでも黒人や民族的マイノリティの高齢者に社会問題が深刻化していると述
べている。このように高齢化の問題だけでなく都市内の社会問題を高齢者の居
住状態に関連づけて考察することは,ほとんどの研究においてみられることで
あるが,高齢化の問題を民族的マイノリティやハウジング,社会制度,雇用を
含めた経済構造などのさまざまな事象と関連させてとらえる方法が必要である。

ところで,わが国の都市における高齢化に関しては,石水(1981)による名
古屋市での事例研究において「高齢人口の空間的残留過程仮説」を提示したこ
とがきっかけとなって以降,都市内部地域の,とくにインナーシティにおける
高齢化の特化した地域の特定や高齢化の顕著な地区を抽出する研究(成田;
1979,高山;1983)や,その原因を明らかにしようとする研究により指摘され
ている。

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