こうした既婚女性の住まいに対する捉え方をみると、彼女たちに個室は必要ないように思われるかもしれません。しかし過半数の女性は個室を必要と考えていますし、子供部屋の保有率を考えると、個室に慣れた世代が結婚後それを求める傾向は今後ますます強くなると思われます。それだけでなく、個室の使われ方をみるとそれなりの意義があることがわかります。・既婚女性にとって個室は一人になれる場所であるこれまで述べたように、既婚女性にとって個室は必ずしもなわばり空間ではありません。なわばり空間については第一章で既に述べたように、心理的安定を与えてくれる空間としての意義がありました。では、なわばり空間的性質の弱い個室は既婚女性にとって意味がないのでしょうか。既に述べたように、女性が個室を望む理由は「家族から解放され-人になる」ということでした。そして、個室の使われ方の主要な点もここにあります。筆者の調査でも、既婚女性は「嬉しいとき」などは家族空間にゆきますが、「一人になりたいとき」や「悲しいとき」「腹が立ったとき」などは個室にゆくという結果が得られています。いうまでもなく負の感情にあるときは一人になりたいものです。つまりこの結果は、既婚女性にとっては個室は.人になりたいとき誰にも邪魔されずに過ごすことのできる場所」という性格が強いことを示しています。以上みてきたように、既婚女性にとっても個室はそれなりの存在意義があります。間取りは非常に重要です。←こちらのサイトからいろいろな間取りを参考にできます。しかし、上の筆者の調査でも一人になりたいときに「個室以外の場所」にゆく女性も四○%います。その意味では母親の個室を一律に捉えるのではなく、自立志向か家族志向かという女性自身の考え方と、家族内の人間関係(とくに義理の両親との関係)からの解放という二つの側面から考える必要があるというべきでしょう。

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