石水によるアプローチは,高齢化のメカニズムを人口の移動から捉えようと
するものであり,この観点は,ヒルトナー・スミス(HiltnerandSmith;
1979)による非高齢人口が流出するインナーシティの高齢人口の比率が高く,
郊外ではそれが低いという結果と同じである。同様に,香川(1987,1990,1991)はコーホート分析により,インナーシティにおいては非高齢人口の転出
が多いことを指摘した。また,高山(1983)は大阪都市圏の高齢化が都市圏縁
辺とコアーエリアに二極化しており,インナーエリアの高齢者の住宅事情では
民間アパートや民間借家の占める割合が高いことを指摘した。これらの要因に
ついて,高山はインナーエリアにおいて社会資本の整備など高齢者を吸収・滞
留させる要因があるのではないかと考え,施設や雇用の面から分析した。

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また,矢野ほか(1990),中林・矢野(1994)などによる東京大都市圏にお
ける高齢化の分布パターンに関する研究では,都心周辺地域や郊外住宅地にお
いて高齢化の進展がみられることが明らかにされているが,その要因として地
域別・年齢層別に転出入傾向みることにより地域別に高齢化の特徴を明らかに
した。さらに,高齢者の移動性が意外にも高いことを指摘した。

都市の地域構造からのアプローチにおいて,斎野(1989,1990,1992)によ
る一連の事例研究などの既往の事例研究は,分布パターンの記述に留まるもの
が多く,ハウジングに関連させて要因を明らかにすることを試みたり,あるい
は別の要因に関する高齢化のメカニズムを深化して追求した事例研究はほとん
どみられない。

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