しかしながら,人口の高齢化とハウジングには密接な関連性が
あり,マッシー(Massey;1980)は,都心部のサービスや公共交通機関の充
実とともに郊外地域での住居費の高さをあげ,都心部における高齢人口の残留
する過程を経済変数とハウジングの観点から分析している。また,住宅地域特
有の現象として稲見(1955)は,第二次世界大戦後の早い段階においてすでに
衛星住宅都市芦屋市では高年齢不生産人口の増大がみられていたことを明らか
にしている。

火事にも備えましょう。←こちらでのサイトではいろいろな住宅情報を取り揃えております。

都心周辺地域の高齢化の原因のすべてがハウジングにあるといえないが,成
田(1981b)は郊外化による中心市の高齢化を指摘しており,ハウジングが都
市の内部地域における高齢化の重要な切り口になると考える。なぜなら,都市
の狭小な住宅状況は現在進行している核家族化を受容あるいは促進する可能性
をもっているからである。つまり,核家族化によって若年世帯は都市内部地域
の親の世帯から独立する傾向にあり,しかも都市内の狭小な住宅は2世帯の居
住には不向きであるため,結果として都市内の住宅には親の世帯のみが残留し,
高齢化が進行するものと考えられる。これに関して,『昭和63年住宅統計調
査』(総務庁統計局)の統計資料によって,京浜地方や京阪神地方の大都市圏
の高齢者夫婦世帯や単身高齢者の居住水準において,最低居住水準未満や誘導
居住水準未満の割合が高く,都市部における高齢者世帯の居住水準の低いこと
がわかる。また,高齢者が相対的に建築時期の古いものに居住し,居住状況の
変化が少ないことからも高齢者が都市内部地域の住居に残留する傾向にあるこ
とがわかる(日本住宅会議編;1989)。

EA017_L